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キーワードの「検索ニーズ」から士業案件の「市場性」を見る方法

ホームページから集客を考える上で大切なのは、自分のホームページやブログ記事が検索される「キーワード」を考えることですよね。しかし例えばGoogleで「弁護士」と検索してみると、実に2320万ものwebページが検出されます。(2015年10月時点)

現在の掲載順位を決めるアルゴリズムから言って、例えば開業したての法律事務所が新規にホームページを作り、その翌週に「弁護士」のキーワードで上位10位に掲載される可能性はまずありません。

そこでSEOなどの教科書を眺めると「士業案件名などの比較的スモールなキーワードや、キーワードの組み合わせで上位表示を目指しましょう」となるのですが、試しにその案件名である「相続」で検索すると1410万ページもの競合となるサイトが出てきます。またキーワードの組み合わせがニッチな組み合わせだと、仮に上位に掲載されても、そもそも検索するユーザーがいないことになります。

というと、なんだかホームページやブログ記事の「キーワード」を考えることは途方もなく難しいことのように思えてきますが、本当に考えなければいけないのはとてもシンプルです――検索ユーザーはどんな「言葉」を使っているのか?(=検索ニーズ)を知ることです。

以下、ネット上でよく見かける士業案件に基づいて各検索ニーズを見ていくことにしましょう。こうしたユーザーたちの「検索ニーズ」から「市場性」をイメージすることは、ホームページの運営方針から集客までさまざまなヒントを与えてくれます。

(※この記事では話を単純化するためにこの記事では複合キーワードに関しては触れないことにします)

Googleキーワードプランナーから士業案件の「検索ニーズ」を知る

「相続」案件の検索ニーズ

k1まずはGoogle「キーワードプランナー」で得られた上の結果を見てみましょう。

(※「キーワードプランナー」で検出される数値はあくまで概数であり、正確な数ではありません)

 「相続」や「遺産相続」という、比較的ニーズが大きそうな語は月間22,200回検索されているようです。月間22,200回検索されるということは1日あたり740回ほど検索されることになりますが、さらにそこから「自ホームページ」に訪問するユーザーや請け負える地域に住んでいるユーザーの数となるとさらに数が絞られます。

 ところが「相続=1410万ページ」、「遺産相続=1210万ページ」と競合となるページ数は多く、こうしたキーワードで上位を狙うのはかなり難易度が高そうです。また上表にはありませんが、相続の関連ワードである「遺言」も同様に、月間4,400回という少ない検索ニーズにも関わらず、ページ数は300万以上となっていました。

 一方で「相続税」というキーワードを見ると、上記のキーワードに比べ「うまみ」があるようです(月間検索ボリューム90,500回/日あたり3016回、検出されたページ数683,000)。

 「相続税」で検索するユーザーは必ずしも士業への依頼を求めているユーザーとは限りませんが、少なくとも「遺産相続を解説する記事」と「相続税を解説する記事」なら後者のほうが検索ニーズが高いことがわかります。

 また競合性が高いからと言って「遺産相続」などのキーワードでホームページや記事を作っても意味がないというわけではありません。ですがこのキーワードだけで十分な集客を期待しても、そもそもの検索ニーズが限られているため、なかなか集客効果が現れにくいのではないでしょうか?

「債務整理」案件の検索ニーズ

k2

一時期は「過払い金バブル」という言葉までささやかれた「債務整理」系キーワードですが、「債務整理」というキーワードの検索ニーズは月間22,000回でした。同キーワードでwebページも766,000件検出されました。また上表には含まれていませんが「過払い金」というキーワードも月間27,100回の検索ニーズがありました。

前述の「相続」案件よりかはいくらか競合の少なさが見られますが、検索ニーズとしては「自己破産」というキーワードのほうが40,500回と倍近く高いことは注目すべきでしょう。また「自己破産」で検出されるwebページ数は674,000件なので、競合性の意味からもどちらのキーワードを選択するべきかの大きなヒントになりますね。

専門家間では使用頻度が高くても、一般的に見れば「ジャーゴン(職業用語)」になるという見落としも検索ニーズには如実に表れます。ホームページからの集客にはこうした言語感覚へのちょっとしたこだわりが、大きな結果の差になる場合があります。

起業・会社設立サポート案件

k3最後にこちらも多くの士業が業務として関わる可能性のある「起業・会社設立サポート」系のキーワードを見てみましょう。

「会社設立」というキーワードでは、月間22,200(1日あたり740)回の検索ニーズに対し、検出されたのは352万ページ。

「起業」というキーワードでは、月間33,100(1日あたり1103)回の検索ニーズに対し、検出されたページ数は187万でした。

そもそも2002年から2012年の10年間で起業希望者は「140万人→83万人」の-68%も落ち込んでいますが、検出されるページ数の多さからこのキーワードの人気ぶりがうかがえます。

(【参照】中小企業白書:http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/H26/PDF/07Hakusyo_part3_chap2_web.pdf)

もちろん「会社設立」というキーワードには士業事務所以外のwebページも検出されますが、いずれにしてもweb全体としてはこのキーワードに対してwebページは供給過多の気配があります。ホームページのメインキーワードに置くには、競合するホームページと競っても負けないコンテンツを作るなど戦略などをしっかり立てておくことが必要となりそうです。

最後に

概して今回調査した3つのキーワードは「検索ニーズ<webページ」の傾向が見られました。しかし繰り返しになりますが、供給量が多いからそのキーワードでの集客を諦めたほうがいいというわけではなく、大切なのはこうした「市場性」を踏まえた上でコンテンツを作っていく必要があるということです。

またキーワードを組み合わせる複合キーワードになると、話が複雑になるため今回は触れませんでしたが、例えば地域名などをサブキーワードに置くと、その地域によって競合性はかなり変動するでしょう。そこに「掘り出し物」のようなキーワードを見つけることもできるかもしれません。

いずれにしても「キーワード」の検索ニーズは顧客のニーズを計る一つの指標となります。この記事で使用した【キーワードプランナー】はGoogleアカウントを取得し「アドワーズアカウント」を作成するだけで無料で利用できます。

もし案件ごとの専門サイトやランディングページを検討されていたり、ブログ記事を更新されている方はそのコンテンツ作りのヒントとして、【キーワードプランナー】を活用されてみてはいかがでしょうか?

■【Googleキーワードプランナー】

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