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行政書士に追い風?建設関連法改正、4月1日施行で実務はどう変わる?

行政書士の多くは建設業法に基づく許可申請などを業務として取り扱い、クライアントから依頼を受けて、提出書類の作成などをされていることでしょう。そこですでにご存知の方も多いと思いますが、昨年建設業法など4つの建設関連法が改正されました。

これまで改正法は段階的施行がなされていましたが、2015年4月1日に大部分が施行され、申請書類などにも変更が生じました。そこでこれから建設業の許可申請に取り組みたいと思っている方や、現在依頼を受けて実務に入られている行政書士の方のために今回の改正法施行についてまとめてみたいと思います。今回の法改正の要点を押さえれば、行政書士業務の案件獲得の好機になるでしょう!

建設業法などを改正した3つの理由と抑えてほしい6つのポイント

昨年6月4日に改正された建設業法などですが、まずは今回の改正に至った背景や理由について振り返りましょう。

まず、大幅な建設投資の減少により過当競争となり、「ダンピング受注など下請け企業にとって不利な状況が発生していたこと」、次に「老朽化や防災面など維持更新を目的とした工事をめぐる様相が変化してきており、解体工事など質の確保が急務となったこと」、そして「建設の適正な施工を担う人材が不足してきていること」を国土交通省はその改正の根拠として挙げています。

建設業界の人材状況グラフこれらを踏まえて、

  1. 公共工事の入札契約適正化の柱にダンピング防止を追加
  2. 公共工事入札における金額内訳の提出を義務化
  3. 業種区分を約40年ぶりに見直したうえで解体工事業を新設し適切な技術者を配置させる
  4. 施工体制台帳の作成・提出義務を小規模工事にも拡大
  5. 暴力団の排除(建設業許可における暴力団排除条項の整備と公共工事受注者が暴力団員等と発覚した場合に許可行政庁への通報を公共工事発注者に義務付け)
  6. 建設業者・団体による人材確保・育成と国土交通大臣の支援責務を明記すること

などを改正に盛り込みました。

行政書士として把握しておくべき建設業許可申請実務の変更点とは?

 2015年4月1日より、建設業許可(更新)申請書や添付書類についても若干の変更が生じています。今回の法改正では提出書類として新たに必要になったものと簡素化されたものがあります。

新たに必要となったものは、役員の範囲が取締役以外の顧問や相談役といった法人への支配力を有する者にも拡大されたことを受け、これまでは提出の必要がなかった取締役以外の顧問や相談役、100分の5以上の個人株主などに関する書類が必要となり、営業所専任技術者一覧表も提出を求められるようになりました。

逆に簡素化されたのは、これまで記載が必要だった役員や使用人の略歴書の職歴の記載(ただし、経営業務管理責任者を除く)と役員や使用人の一覧表における生年月日や住所の記載で、これらは不要となりました。また、財務諸表に記載を要する資産の基準が100分の1から100分の5に緩和されました。さらに、営業所専任技術者の証明については新たに監理技術者資格者証をもって行えるようになりました。そして、大臣許可申請については、これまでは最低でも4部の提出を求められていましたが、正本・副本各1部、合計2部に削減されました。

解体工事業について 許可制?登録制?いつから?

 解体工事業は、現状では、建設リサイクル法に基づく登録制で受注金額などにかかわらず登録が必要とされていますが、とび・土工工事業の許可をもっていれば登録は不要で、解体工事業を営むことができます。

今回、とび・土工工事業における工作物の解体の部分が独立して解体工事業として業種区分されることが決まっており、2016年の春頃から施行されるのではないかといわれています。施行後は、解体工事業の許可がなければ「500万円以上の解体工事」を受注することができません。ただし、経過措置が設けられており、施行された日から3年間は、引き続きとび・土工工事業の許可で解体工事業を営むことができるようです。

新規で建設業許可を取りたいという相談があれば、行政書士として解体工事について確認と説明をすることが親切だと思いますし、必要であれば解体工事業の登録またはとび・土工工事業も追加申請するように助言し、解体工事業許可申請について今後のタイムスケジュールがわかってくれば改めて伝えるなどしてクライアントへの情報提供を行っていくことも大切なことではないでしょうか。

行政書士案件獲得のチャンス!建設業者に法改正情報によるアドバイスを

 今回の法改正では、一般建設業の技術者(主任技術者)の要件が緩和され、大工工事業の技術者要件に型枠施工技能検定合格者が、管工事業の技術者要件に建築板金技能検定合格者(選択科目はダクト板金)が追加されました。つまり技術者になれる方が増えたということで建設業者にとっては少しだけですが人材確保の面で有利になったといえるでしょう。

そのほかにも外国人建設就労者、外国人技能実習生従事の有無を施工体制台帳に記載することが必要になりました。

建設業者だから建設業法などにも精通していると考えがちですが、行政書士に許可関係を依頼されている多くの経営者は法的な部分も行政書士がアドバイスしてくれるだろうと期待していると考えて間違いありません。

顧問先やクライアントに質問されてはじめて回答するのではなく、たとえ現在は依頼がなくても過去のクライアントに対してもサイトコンテンツやメルマガでの案内のほか、近くであれば実際に足を運ばれて今回の法改正について解体工事の件だけではなく建設業者に有利となる情報提供を積極的にしていただくことで今後の依頼に有利になると考えます。

 ITC代表 石盛丈博氏
(2002年~2010年まで行政書士登録)

今回のまとめ

「建設業法等の一部を改正する法律」によって、建設業法、公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律(入契法)、浄化槽法、建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(建設リサイクル法)の4法律が改正されました。実務においても若干の変更がありました。

行政書士にとっては、この4法律の改正は、むしろ追い風で、法改正情報を顧問先やクライアントに先手を打って積極的に提供することで、顧問先やクライアントとの信頼関係構築や今後の依頼に役立つでしょう。

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