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「Uターン×士業」はどう実現すればいいのか?東京→愛知へ移住された伊藤和雄司法書士へインタビュー

「ノマドワーカー」や「リモートオフィス」という言葉の出現に象徴されるように、ことweb上では「場所にとらわれない働きかた/生きかた」を実現できるインフラが急速に整いつつあります。

これら「場所にとらわれない働きかた/生きかた」と、原理上有資格者であればどこにあっても開業できる「士業」とはとても相性がよさそうです。そして同時に自分の住みたいところや「Uターン/Iターン」を果たす動きは、士業界でも今後活発になる土壌が十分にあるのではないでしょうか?

そこで東京で独立開業したのち地元愛知県にUターンし、現在もWeb/ブログ等にて精力的な情報発信をされている伊藤和雄司法書士にお話をうかがいました。

(以下、伊藤司法書士へのインタビュー)

「Uターン士業」という働きかた/生きかた

――まず東京から愛知県にUターンしようと決断なさった時、「士業を続けながら生活の場所を変える」ということに関してどのようにお考えになりましたか?

まず司法書士を目指したキッカケの1つとして「場所を変えても何とかやっていける仕事」として、士業がいいかなと思いました。

その後司法書士試験に合格し、「弁護士事務所や司法書士事務所で働いて経験を積んだ後、愛知県に移って独立開業しよう」と思ってはいたのですが、いざ他の事務所で経験を積んでみると「まだまだ東京で遊んでいたいなぁ」「独立開業はもう少し先でもいいかなぁ」と思うようになっていました。その間は資格予備校の講師をやったりしながら、舞台活動・演劇活動をしていたのです。

しかし結婚し、結婚資金や生活資金を稼がなくてはいけなくなり、また愛知県に移住してから初めて独立するのは不安だったので、「まずは東京で独立開業してしまえ」と東京で司法書士事務所を開業しました。

したがって、「士業を続けながら場所を変える」ことは当初から予定していたわけではなく、私の計画性のなさから結果的にこうなってしまった、という感じです。元来私は心配性なのですが、この点については「どうにかなるでしょ」と楽観してしまい、行き当たりばったりになってしまったのです。

――実際に愛知県に「Uターン」されて、どのような変化がありましたでしょうか?

実際に移り住んでみた感じですが、やはり東京の他の事務所で勤めたり、司法書士事務所を一度開業したりして良かった点もあれば、失敗したかなと思う点もあります。でもどちらかと言えば東京で司法書士として働いた経験のおかげで、今は良いスタートダッシュが切れたと思っています。

――移住前に東京で独立されたことが、現在どのような点で活きていますか?

特によかった点は、HPで集客する感覚を東京で経験できていたことです。愛知県で開業してからHPを立ち上げるとなると、多分焦っていろいろと手を出していたんじゃないかと思います。SEO業者やHP制作の業者からの数多くの営業に、一つ一つ耳を傾けていたかもしれません。

でも東京にてHPで集客した経験があったので、愛知に移ってからは焦らずにやることを絞ることができました。そして東京にいた時に作ったHPを現在もそのまま使っているのですが、愛知県に移ってからもそのHPはとても働いてくれており、問い合わせもよく頂いております。

東京の「司法書士」、地方の「司法書士」。そして「暮らし」

――消費者庁に掲載されている資料によると、東京での司法書士一人あたりの人口比率は5,892人、これが愛知になると9,606人の約1.6倍となります。「肌感触」レベルの話でいいのですが、東京と愛知(地方)での司法書士需要で感じる違いなどありますか?

(【参考】http://www.caa.go.jp/seikatsu/shingikai2/kako/spc16/houkoku_c/spc16-houkoku_c-ref_29.html

「司法書士1人あたり人口比率が1.6倍ほどあるからその分仕事が多くあるか?」といえば、そのような感じはしていません。

おそらく法人の数が東京と比べても約半分ということや(東京の企業数は約47万件、愛知県は約23.5万件※)、土地開発できる地域が東京と比べて少ないからではないかと思います。そのため人口比率は1.6倍ほどあっても、おそらく司法書士1人あたりの登記件数(司法書士にとっての事件数)は少ないのではないかと思われます。

(※総務省統計局平成24年経済センサス-活動調査より http://www.stat.go.jp/data/e-census/2012/pdf/kouhyou.pdf

こういう予想が当たっているのかわかりませんが、やはり自身の感覚としても「不動産売買の登記」や「新しく会社を起業する(会社設立)登記」は東京に比べると少ないと感じます。

一方で(私が事務所を構えている地域は愛知県の中でもさらに地方ということもあり、愛知県全般でひとくくりにはできないかもしれませんが)、「相続手続き」は東京で活動していたときよりもたくさん相談を頂いていると感じております。

――士業としての「仕事面」の一方で、『愛知県津島市の司法書士いとやんの徒然草』をはじめyoutube動画などでほのぼのと描かれているような「暮らしぶり」という面での変化はどうでしょうか?

 

やはり愛知県に移住してゼロからスタートということもあり、仕事はそれほど忙しくありません。そのおかげで現在1歳になる娘に対して積極的に育児ができ、「今この瞬間の娘は、今しか見れないんだ!」などと恥ずかしげもなく思って、育児をとても楽しんでます(勿論つらいこともありますが)。

また休日は、積極的に家族で小旅行をしております。実家である愛知県に戻って来たのは高校卒業以来なので、地元を遊んだり観光した経験がほとんどなかったのです。車で郡上八幡に行ったり、犬山城に行ったり、東山動物園に行ったりと、愛知に移り住んでからは家族三人で遊ぶ時間が多くなり、そのような時間がとても楽しみになりました。

ブログ『愛知県津島市の司法書士いとやんの徒然草』に関して

――『愛知県津島市の司法書士いとやんの徒然草』は専門性に偏りすぎるでもなく親しみも持てて、また同時に「司法書士」という押し出しが効いていて本当にいいバランス感覚で運営されていますよね?20140716222441

(ブログ『愛知県津島市の司法書士いとやんの徒然草』http://d.hatena.ne.jp/itousihousyoshi/20140716/p1より画像引用)

ブログの感想、ありがとうございます。司法書士という限られたテーマで書いていると、どうしても訪問者が同業者ばかりになってしまうのと(検索キーワードが専門用語ばかりなっていたり)、私の司法書士の経験がまだまだなので、司法書士に関係ないことも書いております。また一時期「テーマは別として、とにかく更新するとどうなるのかなぁ?」と思って何でも書いていたため、このようなブログになってしまった部分もあります。

――ブログ更新されている士業の方は多いと思いますが、なかなか「ネタ」探しに苦戦されている方も多いかと思います。ブログのネタ出しについてヒントをください。

私もネタだしには大変困っております。加えてブログは家に帰ってから書いているのですが、最近は、妻が家でパソコンを使うことが多いため、なかなか更新できていないのが実情です。

ですが私の司法書士に関するネタは、常にアンテナを張って思いついたら携帯のメモ帳にメモっております。また、Yahoo!知恵袋やOKwebで司法書士に関する質問を見て、「あぁ、市民はこういうことに困っているんだなぁ」と思って、そこからネタが浮かんだりしています。

司法書士以外のことは、もう完全に家族ネタですが、この点はほとんどネタに困っていません。妻はユーモアがあって、抜けているところもあるのでとてもブログのネタにしやすいですし、1歳の娘はネタの宝庫です。

――最後に今後のブログの展望、そして「司法書士」としての展望などお聞かせください。

ブログはなかなか更新をすることが難しい時もありますが、ずっと続けられたらと思っております。あと、もっと絵が上手になればいいなぁとも思っております。

司法書士に関する展望では、私は事務所を大きくしたいとか業務量を増やしたいという願望はあまりありません。ガツガツ切り開かずに流れに身を任せる感じでおります。

ただ、ワクワクするような仕事がしたいなぁという思いはあります。そのような思いから、最近は渉外案件に携わることができるとワクワクできそうだなぁと思い、英語の勉強を始めました。でも、なかなか勉強時間が作れないですね・・・。

インタビューを終えて

士業の方々がもし現在の土地を離れるとなると、まず顧客との「関係」が頭によぎるかもしれません。しかし伊藤司法書士もインタビューでお話をされているように、WEBからの集客経路はアナログ経路での集客よりはるかに簡単に場所を飛び超えることができます。

「士業資格+WEB」の効果的な活用は、士業に新しい働きかたを切り開くインセンティブとなってくれるようです。伊藤司法書士をはじめ「Uターン/Iターン士業」は今後ますますその存在感を強めることになるのではないでしょうか。

人物紹介

■伊藤和雄司法書士

平成18年に司法書士に合格し、債務整理、不動産登記、裁判業務中心として事務所で経験を積むかたわら演劇にも従事。平成23年に開業を果たし、平成27年に現在の愛知県津島市に移転。

・いとう司法書士事務所HP:http://www.itou-legal.com/

・ブログ『愛知県津島市の司法書士いとやんの徒然草』:http://d.hatena.ne.jp/itousihousyoshi/

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