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行政書士の方必見!報酬額統計調査から業務拡大につながる3つのヒント

私が行政書士として活動してきた8年間、中小企業等協同組合の設立認可申請を中心にさまざまな業務を受任させていただいていました。当時は日々の業務等に追われ、実際に取り扱っていた業務の報酬額統計を確認することはあってもすべてに目を通すことはありませんでした。

いま改めて統計を確認してみると、行政書士の業務分類は268種。その中には実務をこなしていた私にもどのような業務内容かわからないものもあり、行政書士業務がいかに多岐にわたり奥深いものであるかを再認識した次第です。今回はこの行政書士業務の報酬額統計の中から個人的に気になった業務を3つピックアップして、それがどのような業務内容か?またその業務にニーズはあるのか?について調べてみました。

報酬額統計調査から気になる3つの行政書士業務

当時の私がノーマークだったというよりもこれらの業務をさせていただけるクライアントとのご縁がなかったという表現のほうが正しいのかもしれません。ですが事務所のホームページにこれらの業務案内を載せたり、その業務の受注に適した集客を図っていたりすれば問い合わせや依頼をいただけた可能性があったように思います。以下、そんな私が気になった行政書士業務です。

資力確保措置の状況についての届出

資力確保措置というのは、新築住宅に欠陥などがあった場合、購入者などを保護するためにその瑕疵を補修し、損害賠償金を支払う資力を保険加入などにより確保することです。資力確保措置を怠った場合、以後の契約締結が禁止されることになります。

資力確保措置の状況についての届出は、「住宅瑕疵担保履行法」に基づくもので、平成21年10月1日以降に新築住宅の引渡しを行なった住宅事業者が提出します。半年毎に基準日が設定されており、基準日から3週間以内に、建設業許可及び宅地建物取引業免許を所管する行政庁に届け出なければなりません。

もし新築住宅の建設業許可や宅地建物取引業免許を新規取得したいという相談があった際、この届出が将来的に必要になることを説明して行政書士が受任できる旨を事前に案内しておけば後々の依頼獲得につながる可能性も出てくるでしょう。

資力確保措置の状況についての届出統計

 

公共物用途廃止・普通財産払下申請

例えばですが、昔からの道路や水路の近くに新しく道路や水路を造成したため、昔からの道路や水路が不要(法定外公共物)となった場合、その道路や水路に面している土地の所有者などが公共の用途を廃止する申請をし、有償で払い下げる(買い取る)ことができる制度があるようです。個人的にはこのような制度があることに驚きました。

この公共物用途廃止・普通財産払下申請のニーズとして想定されるのは、例えば囲繞地₍公道に面しておらず他人の土地を通らないと家に出入りできない状態にある土地₎に住む方が水路を払下げて公道に出るための私道を作るケース、道路部分だった土地を購入し庭や駐車場を造成するケース、祖先が昔、公共用途で行政に買収された土地を子孫が買い戻すケースなどが考えられそうです。

この申請の流れですが、「事前協議→法定外公共物用途廃止申請書の提出→法定外公共物用途廃止承認通知→払い下げ」となっています。最頻値も20万円(11件)となっていることからも中・長期戦になる業務だと考えます。許認可申請業務を日常的に行っている行政書士であれば、事前協議など経験を活かせる業務です。申請書の添付書類には図面等が必要となりますので、行政書士が積極的に依頼を受けるべきだと考えます。さらに払い下げ後、登記が必要となりますので、お付き合いのある司法書士の先生を紹介すると喜ばれそうです。

業務内容から個人的には稀なのかなと感じていましたが、回答数を確認すると75件もあり、決してめずらしくない業務であることがわかりました。この「公共物用途廃止・普通財産払下申請」業務に特化した集客プランを練ってもよさそうな業務の1つに私は思えました。

公共物用途廃止・普通財産払下申請の統計

 

知的資産経営報告書作成

これは中小企業支援業務の1つであり、特に行政庁への提出や事業所に備え置くことを義務付けられた報告書ではありません。中小機構によると知的資産とは「人材、技術、特許・ブランドなど、無形の経営資源の総称」だとしています。会社の強みとなる知的資産を把握し活用することで、業績の向上に結びつけることを「知的資産経営」としています。知的資産を有形にしたものが知的資産経営報告書だといえます。

これを作成するべきなのは経営陣なのですが、行政書士が、どのように関われるのかといえば、文章力と部外者として客観的な視点で「御社はこのような知的資産をお持ちです」と提言することができます。この報告書は「会社案内」の原稿や「融資相談」の資料などに応用できる価値ある報告書になりますので、客観性は必須です。

この業務については5件の回答があり、15~32万円の範囲で受任されているようです。もし、現在お付き合いのある顧客やクライアントから経営の悩みなどを相談されたときには知的資産の棚卸を一緒に行ってみることを提案してみてはいかがでしょうか。

知的資産経営報告書作成の統計

中小機構のWebサイトでは「事業価値を高める経営レポート(知的資産経営報告書)作成マニュアル改訂版」を掲載していますので、ぜひ参考にされてみてください。

ちなみに報酬額統計調査の結果は日本行政書士会連合会のWebサイトにて、pdfファイルで公開されています。現在、公開されているのは平成22年度に調査されたレポートです。行政書士法第10条の2第2項に基づき、5年に一度行政書士報酬額の統計調査を行っているとのことなので、ちょうど今年度が調査対象時期となります。この報酬額統計は、行政書士はもちろん、行政書士に依頼を出すクライアントにも参考となる重要資料ですので、多くの行政書士の先生方にアンケートに応じていただき、適正な報酬額に近づけることができるように願っています。

 ITC代表 石盛丈博氏
(2002年~2010年まで行政書士登録)

今回のまとめ

  • 報酬額統計調査の結果には、行政書士事務所の業務拡大のヒントがたくさんある
  • 資力確保措置の状況についての届出は、比較的新しい行政書士業務で開拓の余地あり
  • 公共物用途廃止・普通財産払下申請は、行政書士が積極的に受けるべき業務
  • 知的資産経営報告書は、融資相談にも応用できる価値ある資料であり文章力を活かせる

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