インバウンドサイトを作るときに知っておきたいこと

調査、統計

「士業はどうブランディングできるのか?」税理士事務所100サイトから見えるもの

一般的に士業のブランディングは難しいと言われます。

その根拠として「提供しているサービス内容が大きく変わらないこと」や「価格(依頼費用)も変わらないこと」、「一般生活者に業務内容を認知されていないこと」などさまざまな理由が考えられそうです。

しかし世の中を見渡せば、「商品(サービス)」で差別化を図ることが難しい生活用品メーカーや、提供しているサービスの専門性が高く、他社との違いが一般生活者に訴求しにくいBtoB企業でもブランディングに成功している例は枚挙に暇がありません。

そうなるとブランディングできる/できないの違いは広報力、つまり「企業として確立されたメッセージをどう発信し、どう届けているのか?」の問題なのかもしれません。

もちろんweb上でこれらの機能を大きく担うのは「ホームページ」の存在になります。では士業事務所からは実際にどのようなメッセージが発信され、どのようなポジションをホームページ上でとっているのでしょうか?

今回は士業の中でも「税理士」に注目し、任意の税理士事務所ホームページ100サイトからメタデータ(keyword,description)を収集しました。

士業ホームページに頻出するサ変名詞

まずは税理士ホームページのメタキーワード欄に入れられている頻出「サ変名詞(動作を表す名詞)」を調べてみました。これで多くの税理士のホームページが想定している税理士案件が類推できそうです。

結果は下表です。

グラフィックス1

1位の「会計」に関しては「〇〇会計事務所」のように事務所名に含まれている「会計」も加算されていためか、かなり高めの数字が出ています。ただ今後会計業務の中でも記帳など作業的な要素が強いものは、クラウドコンピューティングの普及や人工知能の発達によって、個人もしくはロボットに代替されていく業務だとも言われています。

ブランディングにおける「メッセージ」は10~20年を見越した中・長期スパンでも耐えうるものが望ましいことを考えると、「会計」に重点を置いた組織としてのメッセージは今後魅力を失っていく可能性がありそうです。

また2位の「相続」は以前調査したキーワードプランナーによる検索ニーズの調査でも競合性の高いキーワードでした。今回の調査でも税理士事務所の約4割が「相続」というワードで検索ユーザーを意識しているとなると、人気ぶりがうかがえます。

【参考記事】キーワードの「検索ニーズ」から士業案件の「市場性」を見る方法

http://www.mh-sp.com/marketing/1380/

総じて「相続」「確定申告」「経営相談」あたりをメインに想定している税理士事務所が多いですが、こうした検索ワードでホームページに訪問してくるユーザーに税理士事務所の多くはどのような切り口で事務所のPRをしているのでしょうか?

税理士事務所は「どう」アピールしているのか

次に税理士事務所はどのような切り口(表現)でアピールポイントを打ち出しているのかについて調べるため、抜き出したメタディスクリプションのデータから「形容動詞」に着目することにします。つまり「自分の事務所をどのような言葉で形容しているのか?」でその事務所がどのような切り口で事務所のPRを行っているのか?が垣間見えます。

こうして収集できた形容動詞を4つのカテゴリーに分類した結果は下図となりました。グラフィックス2

・権威づけ(32%)_「豊富」「得意」「優秀」などの形容動詞

・価格訴求(8%)_「安価」「明朗」などの形容動詞

・親しみ(36%)_「親身」「丁寧」「親切」などの形容動詞

・スピード訴求(24%)_「スピーディ」「迅速」「スムーズ」などの形容動詞

最も多かったのが、税理士事務所の「親しみやすさ」を訴えかけるものでした。これは事務所のコピーを見ても「親切・丁寧なご対応で~」という常套句がすぐに浮かびそうです。裏を返せば「誰でも言えること」でもあると同時に、多用されていることとあいまって、ストレートに「親しみやすさ」を打ち出す切り口は難易度が高そうです。なんと言っても訪問者に「響かない」PRに価値はほぼありません。

「権威づけ」についても同様で、「〇〇案件を得意とする経験豊富で優秀なスタッフが~」というのも常套句ですね。もちろんなんでも差別化を図ればいいというものではありませんが、士業事務所のPRとして「親しみ」や「権威づけ」を訴求するあまりにもストレートな表現は「どこにでもありそう/平凡/これといったものがない」などのネガティブな印象を与えるリスクがあるということも留意しておくべきでしょう。

アピールポイントを同じ「権威づけ」に置くにしても、ホームページ上では様々な表現が可能です。

単にテキストで「〇〇案件が得意な事務所です」と書くよりも、知り合いの同業者やクライアントにインタビューをして代わりに語ってもらったり、得意とする案件について解説した著作物を掲載するほうが訴求力は上がるのではないでしょうか?

いずれにしても税理士事務所には「顧客・スタッフ・取引先(提携先)」という3つのステークホルダーが存在しますが、各ステークホルダーと良質な関係を構築していくことが、そのまま事務所のブランド構築につながることは言うまでもありません。

調査を終えて

ホームページ制作の際、弊社エムハンドのディレクターは士業のクライアント様に「貴事務所の強みは?」とヒアリングさせていただくことがあります。すると「強み」に関する膨大な資料をお送りいただけることがしばしばあります。

これはとても制作側としてはワクワクすることでもありますし、またそれだけの自負をもって士業に携わっておられる姿勢に感銘を受けることでもあります。

一方で先ほども述べたように士業事務所というのは「税理士―顧客」という関係性のみから成り立っているものではありません。同業者・士業同士の「税理士―税理士」や「税理士―行政書士」のような関係性もありますし、また実際にオフィスの実体を置いているものは「税理士事務所―従業員」という関係性もあるはずです。さらに大きくとらえれば、「税理士―地域社会」などまで拡張することもできます。

そうした関係性をホームページ上で表現することで「メッセージ」が立体的にもなりますし、またそもそもホームページ上で表現できることは無限にあります。

こうした立体的な関係性をホームページ上で表現することは「紋切型」ではない、オリジナリティ溢れる士業ホームページを生むのではないでしょうか。

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